2010年5月15日土曜日

同じ轍は二度と踏まない

 色んなものに追い詰められて、何も手がつかなくなっている状態です。
 正直しんどいです。
 研究の実験をようやく開始し、どうやって統計をしていったらいいのか、数字と格闘中です。
 実験して、数字とにらめっこして、実験しての繰り返しです。

 その合間に目の動きについて興味があり、「眼と精神」という本を読んでいます。
 2003年に出版された本ですが、知らないことがたくさん書いてあります。
 著者の彦坂先生は大脳基底核の研究をされていて、眼についての話が展開されていきます。
 会話形式で話が進んでいくのですが、その中に非常に感慨深い話がありました。
 『認知神経科学の人達は、大脳皮質から基底核に入ってくるが、脳幹や脊髄のことはあんまり知らない。逆に下からはあんまり上がっていかない。』
 まさに今、理学療法士の世界でも生じていることではないかなと思います。
 最近、脳科学といって、大脳皮質が注目されていますが、脊髄や脳幹レベルの話が置き去りにされていて、上だけで考えてしまうことが多い。
 自分もその部類です。
 下の方の脊髄や脳幹、筋で何が起こっているのか知らないとアプローチの幅が狭くなってしまうし、現象が解釈できなくなる。
 人は皮質だけ、脊髄だけで、成り立っているわけではない。
 すべてが関係し、ネットワークとして働いているのだから、人を治療しなければならないリハビリテーションはそれを網羅し治療に生かす必要がある。
 7年前に言われていることから早く前に進まないといけない。
 ただ、この本で言われていることは、その間の研究はあまりされていないということです。
 それをすることは難しいと言っています。
 ただ、難しいからといって、しないわけにはいかない。

 同じことを繰り返さないように、今まで通りではいけない。
 今までの知識を生かして、次のステップへいかないといけない。

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